エキセントリック自由帳
珍しい食材、ブルガリアから購入した物品等の紹介をします
民族楽器ガイダ(5)
ガイダは大まかに高音のジュラ・ガイダと低音のカバ・ガイダに分かれますが、その中でもいろいろ音階があり、サイズも異なります。
カヴァルはD管が最も一般的ですが、ガイダはトラキア地方で広く用いられるG管がポピュラーらしいです。指の配置は左手の親指から順に

第1オクターブ
ソ ● ●●●|●●●●
ソ♯● ○●●|●●●●
ラ ● ●●●|●●●○
シ♭● ○●●|●●●○
シ ● ●●●|●●○○
第2オクターブ
ド ● ○●●|●●○○
ド ● ●●●|●○○○
ド#● ○●●|●○○○
レ ● ●●●|○○○○
ミ♭● ○●●|○○○○
ミ ● ●●○|○○○○
ファ● ○●○|○○○○
ファ#● ●○○|○○○○
ソ ● ○○○|○○○○
ラ ○ ○○○|○○○○

第2オクターブのソ#の音は出ず、第1オクターブのソ#とシ♭も出すのが難しいそうです。(このあたりはD管のカヴァルがドの音が出せないのと似ています)
また、ルチロの出す音は第2オクターブのレよりも2オクターブ低いレの音が標準となっています。


ところで、カヴァルとガイダの指導書を見比べてあれ?と思ったのは、名称の違いです。ガイダのG管では全ての穴をふさぐときに出る音がソで、カヴァルのD管では全ての穴をふさぐときに出る音がレです。これだけなら特に疑問はないですが、前者はСол гайда(「ソ」ガイダ)、後者はДо строй(「ド」ストロイ)と記述されていて「レ」ではないです。これは紛らわしいと言わざるを得ません。一方で、ネットショップなどを見るとD管がРе(レ)と書かれている場合もあります。カヴァルを購入する時は注意したほうが良さそうです。しかもキリル文字とラテン文字の違いもありますから・・・
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【2011/09/21 20:53】 | 楽器 | トラックバック(0) | コメント(0) |
民族楽器ガイダ(4)
ピスクン
gaida15.jpg

ピスクンは円筒形の管で、アシまたはニワトコの木から作られる。イヴァン・ガイダルジエフ翁はカムチャ川に生息するナナカマドやツァリグラードの竹の節からピスクンを作った。特に竹のピスクンはとても良質で、20-30年は持つといわれる。
ピスクンの上端部はコスクか蝋によりふさがれ、下端は振動した空気の流れ、つまり音が伝わるよう開いている。胴体部分に切り込みを入れて作られたエジチェが音の源となる。ミャフからガイドゥニツァに向かう空気の流れによる振動が伝わり、それが結果となり音が出る。下の部分には細い綿糸がエジチェと胴体部分を覆うように巻きつけられており、ガイドゥニツァの挿し込み部分の空洞の壁に密着するようになっている。この綿糸はチューニングの役目もある。より高い位置で巻いた場合は高い音を出し、低い位置で巻いたときは低い音を出す。


それにしてもこんな構造で音を出そうというのだから凄いです。はじめてこの構造を見た多くの人は「これでどうしろと?」と言うのではないかと思います。

ピスクンをガイドゥニツァに入れるときは、空洞の壁に強くあたらないように注意する。そのような状態では正しくない音を発するからである。エジチェは親指の穴側を向くようにすることを薦める。
ガイドゥニツァはミャフを経由して吹くようにする。なぜなら、直接口で咥えて吹くとピスクンが湿り、柔らかくなり膨張し、音が変わるからである。2,3日間吹いたらピスクンの全体にスエット(獣油)を塗ること。こうすれば傷まず、蒸気によって音が変わることもない。


あれっ?ピスクンにはオイルがかからないようにと書かれていましたが、飽和脂肪なら良いのでしょうか。オイルはカヴァルでも使っているオリーブオイルで十分かと思われますが、ピスクン用はどうしましょうか・・・。

ピスクンがどもったような音を出し始めたときは、エジチェの下に(綿糸の元まで)麻くずや頭の毛を入れる。この状態で1,2日も吹けば、ピスクンは元に戻り、強い音を出すようになる。その後、毛はエジチェから抜けばよい。


どういう状況かよくわかりませんが、舌の垂れ具合を直す感じでしょうか。というか髪の毛でもいいのですね。

経験によれば、新品のピスクンは初めの数日は蒸気によって膨張するので、エジチェに軽くスエットを塗り、糸を強く巻きガイドゥニツァの中で1,2日寝かせるのがよい。後でその糸を外せば音は元に戻る。ピスクンをガイドゥニツァやルチロから取り外すときは、乾燥して音が変わるため長時間外に放置しないこと。その他、厳寒の中で演奏するときは、ピスクンを短い間隔で外し、水滴が凍らないように乾かすこと。


かなりデリケートなものなのですね。実践できるか自信のないものも多くありますが、指導書によれば特に初心者にとってこれらは要チェック事項だそうです。
まだ続きます。
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【2011/09/18 23:02】 | 楽器 | トラックバック(0) | コメント(0) |
民族楽器ガイダ(3)
ガイドゥニツァ

gaida11.jpg
gaida12.jpg

写真はそれぞれ表、裏、上端から見た様子です。

ガイドゥニツァは木製の長円錐形(内外共に)の筒で、ミズキ又は西洋すももの木から作られるが、より丈夫なミズキの方が好まれる。
上端はグラヴィナと接続する部分で、ピスクンを差し込むための空洞がある。ガイドゥニッツァには8つの指穴があり、7つは前に、1つは後ろにある。特徴的かつ演奏者にとって重要なのは、左手の人差し指を置く小さな穴である。そこから親指の穴に向かって、アヒル又はニワトリの羽からできた長さ5-10mmの小管(金属でもよい)が通っている。この小管をガイダ演奏家たちはマルモレツ(мърморец)またはグラシニク(глашник)と呼んでいる。

これのお陰でいろいろな音階が出せるようになっているらしいです。мърморецという単語からは「ブツブツ不平・不満を言う人」のような負のニュアンスを感じるのですが、どういう理由で命名されたのか気になるところです。

ルチロ
gaida13.jpg

ルチロはガイドゥニツァの音に伴う低い固定音(ドローン)を出す役目がある。
3つの長さ・外観が異なる、ガイダ演奏家たちがエクレメタ(еклемета)と呼ぶ部位から成る。穴はない。
第一部は2つの挿し込み部分からなる。短く太いほうはピスクンを挿すところで、ミャフのグラヴィナに差し込む。一方の細長いほうは第二部に挿し込む。第二部の挿し込み部分は一箇所しかない。第三部には挿し込み部分はなく、下端部は10cmほど内径が大きくなっている。
全ての挿し込み部には細い綿糸が巻かれており、部位同士がしっかりつながるように、またルチロの長さを微調整できるようになっている。


次はピスクンについてです。
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【2011/09/16 16:31】 | 楽器 | トラックバック(0) | コメント(0) |
民族楽器ガイダ(2)
gaida01.jpg

トドル・プラシャノフ氏著のНачална школа за гайдаから、ミャフの解説部分を訳してみました。

ミャフは山羊か羊の皮から作られ、空気をためて送り出す役割と、ドゥハロ、ガイドゥニツァ、ルチロにつながる3つのグラヴィナを結ぶ役割がある。


私のは山羊製ですが、羊から作る場合もあるそうです。
どう使い分けるかというと・・・

冬季は山羊皮のミャフを、夏季は羊皮のミャフを使うことが望ましい。なぜなら、前者は演奏の際に湿りにくくピスクンの音が変わりにくいからである。一方、羊皮のミャフは冬季は暖かい吐息に晒されると早く湿り、ピスクンの音に悪影響を与える。
ゴム生地を使う試みもなされたが、吐息の水分がたまりピスクンを痛めるため実用的ではなかった。皮のミャフを使うとこのようなことはない。


さらに、その作り方についても述べられていました。

山羊または羊を屠殺するとき、皮は首の方からなるべく頭に近い部分を切断する。屠殺の際は、前足は切断せずに、後ろ足のみを切断し、皮膚が破れないようにする。
その後、皮にスプーン2,3杯の食塩をふり、塩をふった側が内側を向くように、毛の側が外を向くようにする。
この状態で3時間置いた後、塩をふった側を外向きにし、1日間日干し、2日間陰干しし、十分乾かす。その次に、皮を軽く湿らせ、再び毛の側を外にし、毛を短く刈る。
その後、ミャフの穴を後ろ足の方から紐できつく縛り、前足と首の穴をガイダの3つのグラヴィナに結びつける。


良い子は真似しな(以下略)ではありませんが、さすがにこれは家では実践できませんねえ。
ミャフがいつまでもこの状態で持つとは思えませんので、推奨はされていませんが動物の皮以外で代用する事も考えなければならないかも知れません。動物愛護団体の関わるイベントでこの楽器が登場することはなさそうですね。
あと、こういった製法は伝統的なものなので、衛生上どうなのと聞くのも愚問でしょうか。
さて、その後ですが、

グラヴィナと皮の間から空気が漏れないようにするためには、グラヴィナを結びつける前に窪み部分に小麦粉を水で練ったものを塗ることが薦められる。このようにすれば、乾いたあとに皮はグラヴィナと密着し、空気が漏れなくなる。そうせず直接結びつけると、グラヴィナが浮いて空気が漏れてしまう。
グラヴィナと皮は次のように接続する。右前足の部分にはドゥハロのグラヴィナを、左前足にはルチロのグラヴィナを、首の部分にはガイドゥニツァのグラヴィナを結びつける。


保管方法についても記述がありました。

ミャフが乾いても柔軟性・弾性を保つようにするためには、表面に流動パラフィンを塗る。この目的のため、酢入りの油やワイン、水を注ぐ者もいるが、演奏時に服が汚れる上、悪臭を放つので好ましくない。
長時間演奏を続けるときは、ミャフの薄い部分が湿ってくる。そのようなときは、ガイドゥニツァとルチロを外し、火や日光にあてて乾かす。こうすることで、ミャフが長持ちし、ピスクンも痛まずに済む。
新しいガイダを購入したときは、ドゥハロ、ガイドゥニツァ、ルチロにオイルを軽く塗る。ただし、傷めるのでピスクンのエジチェにはオイルがかからないようにしなければならない。


なるほど、こういう事は知っておかないといけませんね。
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【2011/09/15 14:14】 | 楽器 | トラックバック(0) | コメント(2) |
民族楽器ガイダ(1)
gaida00.jpg

ああ、また買ってしまった・・・(^^;
新たな仲間、ジュラ・ガイダのG管です。ガイダの中では最も高い音を出す部類に入ります。
これはカヴァルとはまた別系統で手強い楽器なのですが、それはひとまず置いておきまして、
各部位を写真つきで紹介します。
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テーマ:音楽 - ジャンル:学問・文化・芸術

【2011/09/14 20:24】 | 楽器 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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