エキセントリック自由帳
珍しい食材、ブルガリアから購入した物品等の紹介をします
民族楽器ガイダ(2)
gaida01.jpg

トドル・プラシャノフ氏著のНачална школа за гайдаから、ミャフの解説部分を訳してみました。

ミャフは山羊か羊の皮から作られ、空気をためて送り出す役割と、ドゥハロ、ガイドゥニツァ、ルチロにつながる3つのグラヴィナを結ぶ役割がある。


私のは山羊製ですが、羊から作る場合もあるそうです。
どう使い分けるかというと・・・

冬季は山羊皮のミャフを、夏季は羊皮のミャフを使うことが望ましい。なぜなら、前者は演奏の際に湿りにくくピスクンの音が変わりにくいからである。一方、羊皮のミャフは冬季は暖かい吐息に晒されると早く湿り、ピスクンの音に悪影響を与える。
ゴム生地を使う試みもなされたが、吐息の水分がたまりピスクンを痛めるため実用的ではなかった。皮のミャフを使うとこのようなことはない。


さらに、その作り方についても述べられていました。

山羊または羊を屠殺するとき、皮は首の方からなるべく頭に近い部分を切断する。屠殺の際は、前足は切断せずに、後ろ足のみを切断し、皮膚が破れないようにする。
その後、皮にスプーン2,3杯の食塩をふり、塩をふった側が内側を向くように、毛の側が外を向くようにする。
この状態で3時間置いた後、塩をふった側を外向きにし、1日間日干し、2日間陰干しし、十分乾かす。その次に、皮を軽く湿らせ、再び毛の側を外にし、毛を短く刈る。
その後、ミャフの穴を後ろ足の方から紐できつく縛り、前足と首の穴をガイダの3つのグラヴィナに結びつける。


良い子は真似しな(以下略)ではありませんが、さすがにこれは家では実践できませんねえ。
ミャフがいつまでもこの状態で持つとは思えませんので、推奨はされていませんが動物の皮以外で代用する事も考えなければならないかも知れません。動物愛護団体の関わるイベントでこの楽器が登場することはなさそうですね。
あと、こういった製法は伝統的なものなので、衛生上どうなのと聞くのも愚問でしょうか。
さて、その後ですが、

グラヴィナと皮の間から空気が漏れないようにするためには、グラヴィナを結びつける前に窪み部分に小麦粉を水で練ったものを塗ることが薦められる。このようにすれば、乾いたあとに皮はグラヴィナと密着し、空気が漏れなくなる。そうせず直接結びつけると、グラヴィナが浮いて空気が漏れてしまう。
グラヴィナと皮は次のように接続する。右前足の部分にはドゥハロのグラヴィナを、左前足にはルチロのグラヴィナを、首の部分にはガイドゥニツァのグラヴィナを結びつける。


保管方法についても記述がありました。

ミャフが乾いても柔軟性・弾性を保つようにするためには、表面に流動パラフィンを塗る。この目的のため、酢入りの油やワイン、水を注ぐ者もいるが、演奏時に服が汚れる上、悪臭を放つので好ましくない。
長時間演奏を続けるときは、ミャフの薄い部分が湿ってくる。そのようなときは、ガイドゥニツァとルチロを外し、火や日光にあてて乾かす。こうすることで、ミャフが長持ちし、ピスクンも痛まずに済む。
新しいガイダを購入したときは、ドゥハロ、ガイドゥニツァ、ルチロにオイルを軽く塗る。ただし、傷めるのでピスクンのエジチェにはオイルがかからないようにしなければならない。


なるほど、こういう事は知っておかないといけませんね。
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【2011/09/15 14:14】 | 楽器 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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コメント
私は楽器の演奏が不得手なのでコメントをどうしようか迷っておりましたが(笑)作り方がなかなか実践的な解説ということもあってかなり笑えました。
こういうトラディショナルな文化は時代が進むにつれ忘れ去られていくのでしょうが、さすがはブルガリアという感じです。
余談ですがチャレヴォという村で古代より続いていた犬を宙づりにしてグルグル廻し川に落す(笑)という(たぶん魔除けの)儀式は動物愛護団体の反対にあって中止を余儀なくされたそうです。これももしかするとEUに加盟した所為でしょうか。(苦笑)
【2011/09/16 22:50】 URL | にーの #-[ 編集]
コメントありがとうございます。私もバグパイプ素人ですので、指導書に書いていること以上の知識は得られませんが、こういった本を読むとブルガリアの音楽を聴くときの見方が変わるかもしれません。
伝統の製法とはいえ、皮をはぐ様子が動画で一般公開されたら、一騒ぎありそうですね。
その村の儀式は私は知りませんでした。娯楽や儀式となると、食文化よりもさらに外部からの反対の声は大きいでしょうね。しかも対象がイヌとなるとさらに・・・。
【2011/09/17 20:05】 URL | hishi #-[ 編集]
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